アラスカの魅力満載!2冊の漫画で、大自然に囲まれた暮らしを体験(書評・感想・レビュー)

アラスカの魅力満載!2冊の漫画で、大自然に囲まれた暮らしを体験(書評・感想・レビュー)

 

Amazon.co.jp: アラスカワイルドファミリー (コミックエッセイ) 電子書籍: ざわじま れな: Kindleストア

Amazon.co.jp: アラスカ・ワンダホー! eBook : 世鳥アスカ: Kindleストア

 

 

アラスカでの日常生活や観光が楽しめる漫画を2冊紹介したい。「アラスカワイルドファミリー」と「アラスカ・ワンダホー!」だ。

両作品ともに、日本人女性の目を通じたアラスカ(アンカレッジ周辺)の大自然や文化、生活事情、旅行の様子などが縦横無尽に描かれる。アラスカの生活に慣れていない主人公たちの新鮮な異文化体験を、読者も共感しながら楽しめるエッセイ漫画だ。

どちらも気軽に笑いながら、サクッと読める漫画なのだが、現実感を強く感じさせられるクセのあるエピソードや、アラスカの負の側面も語られており、にじみ出るような味わいまで感じられた点もすばらしかった。

また、漫画として楽しめるだけでなく、アンカレッジ周辺の観光情報としても活用できる。もちろんガイドブックのように詳しいわけではないが、この本を入口として、気になった場所やアクティビティがあれば、詳細かつ最新情報を深掘りしていきたい。

 

 

 

アラスカワイルドファミリー(さわじまれな著/2023年発行)

この作品は、幼い頃に両親が離婚し、大家族に憧れる女性主人公が、アラスカ出身のアメリカ人と結婚し、アラスカに大家族ができる体験が描かれる。アラスカ自体の魅力に加え、家族エッセイとしても楽しめる漫画だ。

内容は、日本で生活している著者の夫妻が、年末年始の休暇と、旦那さんのアラスカ出張の機会に体験する、2回のアラスカ(アンカレッジ)滞在が中心となる。1回目は冬、2回目は夏の滞在であるため、季節による違いも楽しめる

まず、家族との触れ合いが非常に生き生きと描かれていて、クスッと笑えるシーンが散りばめられている。5人の家族(ご両親、旦那さん、その妹さんと弟さん)をはじめ、登場人物のキャラが立っている上に、細やかな観察眼と感情表現がツボに入って笑えるのだ(細かい描写や小さなセリフまで漏らさずに見ると面白さが倍増!)。同時に、異国の家族との温かい交流にほっこりさせられる場面も多く、国際結婚に関心のある方にもぜひおすすめしたい。

また、家族自体がアラスカの方々ということで、単に家族での出来事を描いているだけでも、アラスカ自体の生きた雰囲気を間接的に味わえる点も素晴らしい。家族との日々の交流の中で、アラスカのちょっとしたエピソードが次から次に出てくるのだ。

個人的に特に印象深かったのは、数多くの旅行のエピソードであった。主人公たちが次々に旅行に行くので、漫画の中で一緒に旅行しているようでワクワクできる

最初の冬の訪問では、お父さんが単身で働いている「バロー」という厳寒の北方の町や、雲の絨毯の壮大な景色が描かれる「ガードウッド」という街への旅行などが語られる。

特に印象に残ったのは、トンネルが町への入口になっている「ウィッティア」へのドライブ旅行だった。きれいな湖が中心にある自然に溢れた町だが、住民のほとんどがベギッチタワーという建物に住んでいるという。タワーなのに、居住スペースだけでなく、学校や郵便局などの公共施設も入っている「町のような」建物だというから驚きだ。

2回目の夏の訪問も楽しい。アンカレッジから約2時間の「ロシアンリバー」へサーモン釣り(フライフィッシング)に行く様子や、アラスカ鉄道でデナリ州立公園の入り口となる「タルキートナ」という街に行く鉄道旅などが生き生きと描かれる。

特に、「ホーマー」という海辺の都市へのキャンピングカーの旅が見どころだった。景色の良い高速道路でのドライブや、砂浜に店が並ぶ町での自転車散策、ハリバット釣りの楽しくも大変な様子が、臨場感たっぷりに描かれる。

個性あふれるアラスカの家族との楽しく温かい交流と、自然の魅力に満ちた旅行の様子を、笑いながら楽しんでほしい。

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アラスカ・ワンダホー!(世鳥アスカ著/2015年発行)

この漫画は、お父さんの転勤でアラスカ(アンカレッジ)に滞在することになった主人公一家(ご両親と弟さん)の、日常生活や学校(高校と大学)での体験を描いた作品。4年間という長期間の生活体験をまとめた内容であるため、アラスカでの暮らしの多様な側面が描かれている。漫画としておもしろい生き生きとした描写に加え、豆知識コーナーでのアラスカ情報も充実しているので、じっくりと隅々まで読んでいただきたい。

なお、漫画の半分程度は、「アメリカ共通の一般的な日常生活や学校生活」が描かれている(例えば、アメリカのどこにでもあるガレッジセールや、高校のESL(英語を母国語としない生徒のためのクラス)での出来事、プロムやハロウィンなどのイベントの様子、等)。

よって、「自然に囲まれたアラスカ特有の内容」は、本書の半分程度と感じた点、念のため共有しておきたい。(アラスカに限らず)一般的なアメリカの生活事情や、アメリカの学校生活にも興味にある方であれば、さらに興味深く楽しめるだろう。(※学園生活の楽しい様子が鮮明に描かれているので、特に、アメリカ留学に関心のある高校生におすすめしたい。

個人的には、アラスカの自然に関する以下のエピソード/内容が印象に残った。

まず、漫画全般に描かれる「ムース(ヘラジカ)の存在感」。アラスカの代表的イメージとして、「ムース」というのは頭にあったが、こんなに日常的に存在感があるとは!笑。家の庭や学校への通学路など頻繁に現われ、バーベキューではムースの肉を味わう。ムースに囲まれた生活を漫画で味わってほしい。

サーモン釣りの様子も非常に興味深い。事前の準備から、釣りの様子、トラブルの発生など、臨場感たっぷりに描かれる。釣りのシーズンや、時期によって異なるサーモンの種類などのちょっとした豆知識もうれしい。

観光の様子もいくつか描かれる。「氷河クルーズ」での船上の様子や壮大な氷河の壁の迫力、「デナリ国立公園」でのシャトルバスでの長旅の様子を見ていると、実際にアラスカに行きたくなってくる。

個人的に最も印象深かったのは、「ユーコン・クエスト」という過酷な犬ぞりレースに関するエピソードであった(アラスカのフェアバンクスとカナダのホワイトホース間の1600kmを約10日間で犬ぞりのみで走りぬくレース)。ESLのクラスで、生徒が日々新聞で、自分の「推し」の選手の状況を追うのだが、リタイアする選手が日々増えていく様子など、非常に興味深く読むことができた。今後さらに詳しい情報も調べてみたいところだ。

この漫画を読み終わって感じるのは、数多くの実体験だからこそ感じられる生々しい現実的な感触であった。気軽に読める(かわいらしいタッチの)漫画でありながら、アラスカの余韻が実に体に残ったのだ。

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アメリカやカナダでの類似の体験について

僕自身、アラスカには行ったことがないのだが、この2冊の漫画を読んでいて、アメリカやカナダでの類似の体験をいくつも思い出した。漫画で描かれた以下のような事柄は、アラスカでなくとも体験可能だ。北米を観光する際のご参考までに紹介してみたい。

 

■ステイト・フェア(畜産物などの品評会):「アラスカ・ワンダホー!」で描かれたイベント。動物と身近に触れ合うことのできる品評会に加え、漫画でも描かれていた移動遊園地や、ロデオなども併催されていることが多く、北米ならではの貴重な体験ができる。僕自身はアメリカのモンタナ州とカナダのブリティッシュ・コロンビア州の品評会を訪れたことがある。北米旅行の際に、近くで開催されていればぜひ訪れてみてほしい。

 

■サーモンについて:両方の漫画でサーモン釣りが描かれていたが、カナダのブリティッシュ・コロンビア州やアメリカのワシントン州等でも、サーモンは名産品だ。産卵のため川を遡上する「サーモン・ラン」や、ふ化場(養魚場:Hatchery)の見学といったサーモン関連の観光も楽しい。

 

ムース(ヘラジカ)について:アラスカでは頻繁に遭遇するムースだが、アラスカ以外のアメリカや、カナダの南部でムースを見かけることは非常に珍しいと思う。僕自身はカナダのアルバータ州への旅行中に、偶然、普通の町の公園(!)で見かけたことがあるのだが、レアケースだったのだろう(現地に住んでいる知り合いも初めて見たとのことだった)。オンタリオ州の「アルゴンキン州立公園」が、水辺などでムースが見られることで有名な場所なので、いつかカヌーで探索してみたいところだ。

 

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