西部劇ファン向けの英文児童書。「英語多読」の初級者におすすめ!
『Ghost Town at Sundown』(Magic Tree House Book 10) (Mary Pope Osborne著, Sal Murdocca (イラスト) )
「Magic Tree House Book」シリーズとは
このシリーズは、世界中の歴史的な時代や空間に、8歳の兄Jackと7歳の妹Annieがタイムスリップして入り込み、冒険をしながら謎を解いていく児童書。毎回、ツリーハウスの中にある一冊の本の時代・空間に、二人で入り込んでいく。
冒険中に遭遇することを、その都度Jackが本で調べる過程を通して、テーマに関係のある豆知識を読者と共有する。
文章レベルは、(英語ネイティブの)6~9歳程度。シリーズを通して大きなストーリーの流れはあるが、どの巻から読んでも大丈夫なように書かれている。
各ストーリーの背景となる時代や出来事を解説する「Fact Tracker」シリーズも、副読本として発刊されていて、より深くそのテーマを学ぶことができる(※すべての巻ではない)。シリーズを通して、様々な分野を、容易な英語で勉強できるので、日本の大人にも強くおすすめしたい。
本の内容
本書「Ghost Town at Sundown」は、上記「Magic Tree House Book」シリーズの10作目。アメリカの西部劇の世界に飛び込んだ兄Jackと妹Annieが、冒頭で提示された謎を解くために、古い開拓地のゴーストタウンを探索するところからはじまる。
その後、二人は、ゴーストタウンを通った馬泥棒の集団と、盗まれた馬を追うカウボーイの追跡劇に巻き込まれる。一連の活劇を通して、二人は冒頭の謎を解くヒントを得ることになる。児童書ということで、ストーリー展開そのものは単純明快だが、主要な謎解き以外にも、いくつかのちょっとした仕掛けも用意されていて、最後まで飽きさせない。
また、キャニオンでの乗馬やキャンプのシーン、馬を馴らしていく描写もあり、児童書レベルではあるが、西部劇の世界観を味わえる。
英語に関しては、主に西部劇・西部開拓時代の重要なアイコンである馬・乗馬に関する英単語や動きの表現が印象的であった。「英語多読」の初級本としてもおすすめだ。
英単語など(参考・忘備録的に)
本書に登場する英単語・表現から、以下にリスト化してみたので、参考にしていただきたい(※以下は、辞書やネットから、本書に登場する意味として、個人的に選択・抜粋したものである。正確な訳は各自で調べていただきたい。)
- stagecoach : 駅馬車
- hooves : hoof(ひずめ)の複数形
- herd : 〔牛などの動物の〕群れ、〔動物の群れを〕集める
- whinny : 馬のいななき
- mane : 〔馬などの動物の〕たてがみ
- colt : 雄の子馬
- gallop : 全速力で走る、〔馬などが〕疾走する
- mustang : 〔北米の〕マスタング、野生馬
- mare : 雌馬、母馬
- paw : 動物の足
- cowpoke : 〈米話〉カウボーイ
- yonder : あそこの[に]
- knack : 才覚、こつ
- stirrup : 《馬具》あぶみ ※鞍(くら)の両わきにさげて足を踏みかけるもの。
- neigh : 〔馬が〕いななく、〔馬の〕いななき
- for dear life : 必死に
- loco : 気が狂った
- round up : 〔家畜を〕駆り集める
- stroke : …をなでる
- prance : 〔馬などが〕後脚で跳びはねる
- lope : 〔人・動物が〕大またでゆっくり歩く[走る]
- wiggle : 〔体の一部などが〕小刻みに動く、〔体の一部などを〕小刻みに動かす
- waft : 〔空中を〕漂う
- dreary : わびしい、うっとうしい、つまらない
- weary : 疲れた、うんざり[飽き飽き]した
副読本「Fact Tracker」の紹介
本書を読んだ後は、アメリカの西部開拓時代を解説する「Fact Tracker」シリーズより、「Wild West」(A Nonfiction Companion to Magic Tree House #10: Ghost Town at Sundown) もぜひ読んでいただきたい。「Ghost Town at Sundown」の時代背景を解説する副読本だが、むしろ、大人読者にはこの本こそがメインだろう!
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